終の棲家。
高齢者は退去の少ない優良入居者だ。
賃貸経営で悩ましいのが、空室・退去・滞納・原状復旧・孤独死といえる。多世代居住の高齢者向きアパートはこの問題が緩和できる。高齢者市場を取り込み空室を減らす。高齢者の多くは退去を望まないし、介護事業者と組むことで滞納・孤独死・残置物処理問題が緩和される。
バリアあり―のデイサービス経営
16年の経験から得たノウハウ
赤尾 宣幸
小規模デイサービスを平成14年に開業し、高齢者やご家族とかかわる中で考えた。なぜ施設に入れるのか。安心して暮らせる部屋があれば幸せになれる。それこそが高齢者向きアパートだ!そして、努力で実現することを共著者鈴木が教えてくれた。
空きアパート活用で
高齢者も大家も幸せになれる
ちょっとした手助けがあれば普通に暮らせる高齢者は多い。しかし、「高齢者」という理由で部屋が借りにくい。高齢者への賃貸は、リスクが高いと考える大家が多いからだ。一方で築古、駅から遠い、部屋が狭い、駐車場が少ない、いわゆる不人気アパートは1階がガラ空きで大家の悩みの種だったりする。しかし、そういうことは高齢者には大した問題ではない。それよりも手すりや安全対策のほうが重要だし、1階のほうが便利だ。こういう部屋に手を加え、バリアあり―で高齢者が安心して暮らせる部屋を大家が提供する。そして介護事業者が高齢者と大家の間に入ることで多くの問題が緩和される。そうすることで、一人でも多くの人が幸せになれる。
バリアあり―で安心して
元気に長生きを
高齢者にはバリアフリーは必須というイメージは強い。車いすでなければ生活できない人には有効だが、多くの高齢者には「常に」車いすが必要だろうか。段差を安全に越えることができれば問題なく過ごせる人が多いのではないか。また、段差に囲まれて生活することで、転倒に注意するようになり、転倒しそうになっても手すりをつかんで回避したり、常に注意しているので転倒しても小さなケガで済むのではないか。また、弱った足腰を認識することでリハビリも抵抗なく行えるのではないか。
赤尾は段差を残したバリアあり―のデイサービスを16年間経営してきた中で強く感じてきた。バリアあり―の高齢者向きアパート。本書でその考え・経験・ノウハウを伝えたい。