上手いカスハラ対策は生涯顧客化につながる
カスハラ対策を考える際に、企業において「顧客」とはどのような存在なのかを考えてみたい。
私自身、企業にとってカスハラ対策は喫緊の課題として取り組まなければならないのは間違いないと思う。
しかし、企業は顧客とどのような関係を構築していくかという点をもう少し見つめ直す必要がある。
私が本書でもっとも伝えたいポイントは「カスハラ対策をうまくできる企業は顧客満足度が高いはず」という点だ。
現代の企業と顧客の関係性において重要なのは『生涯顧客化』である。
生涯顧客化を実現するために、企業はあらゆる満足度向上の施策を打ち出している。
ブランドのファンになってもらい、顧客と末長い関係を築いていく。
良好なカスハラ対策は生涯的な顧客関係を構築するために欠かせないモノだと考えたい。
ジャイロ総合コンサルティング株式会社 会長
大木 ヒロシ
カスハラについてよくわかる!
■お客様はいつから神様に?
カスハラの背景を紐解いていくと、日本の戦後期から現代までの物質面での変遷を振り返る必要がある。そこには企業側の立場が優位から劣位へ、見事なまでの転換を遂げている。
それがカスハラを生みだす遠因にもなっていると捉えてよいだろう。
■増えるカスハラの実態と企業の対応
嫉妬心がカスハラを引き起こす言動力になってしまう。「他の人間の方が自分より待遇がよい」ことが許せない。そこから暴言・暴力に至ることも。
■顧客志向とクレームの関係
クレームとカスハラの見極めはとても重要である。要求内容が妥当であり、関係性も損なわれない状態であれば、正当なクレームとして企業は誠実に対応しなくてはならないし、そのようなクレームまでもカスハラとして扱ってしまっては、その企業は顧客を失い続けるだけである。